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塗装の必要性

わが家の外壁はどんな素材でできている?

外装の修繕時期を知る外壁編

外壁の素材は種類豊富。まずは、家の外壁に使用されている素材の性質を理解することからスタートしよう。

窯業系サイディングボード

セメント質と繊維質を主な原料として板状に形成した素材。タイル目、レンガ調などデザインが豊富で最近よく使用されている。基材は吸水性があり、防水機能は塗膜に頼っているため、塗膜の劣化を放置すると建物の構造に大きなダメージを与える可能性も。

塗装目安 7~8年

こんな症状に注意

シーリングの劣化

サイディングの場合、目地のシーリングがひび割れしたり痩せて隙間が空く。

[そのほか]

  • ボードの反り
  • チョーキング
  • 紫外線による退色
  • 爆裂(寒冷地)など

モルタル

セメントと石灰や砂を混ぜて水で練った素材。施工が容易でコストが安いため、新築時の最もポピュラーな吹きつけ仕上げ材として使用されていた。強度が高く耐火性に優れるが、防水性能が低くなると急激に劣化が進み、ひび割れが発生する。

塗装目安 10~15年

こんな症状に注意

モルタルのひび

塗装した膜がふくれたりする症状。劣化による付着力の低下が原因。

チョーキング

外壁を触ると白い粉がついてしまった場合は、防水効果がきれた状態。

ALC

コンクリートを軽量気泡化した外壁材。断熱性、耐火性、耐久性に優れ、マンションなどに多く見られる。塗装が劣化したままだと防水性が乏しいため、内部からボロボロに。手遅れになると、下地補修からの復旧が必要となるので早めの再塗装が重要。

塗装目安 10~15年

こんな症状に注意

チョーキング

外壁を手でこすると白い粉が付く症状。顔料が劣化して粉状になっている。

紫外線による褪色

日当たりの良い箇所を見ると当初の外壁色が変褪色している症状。

RC

鉄筋コンクリートは非常に丈夫な外壁だが、劣化が進むと、ひび割れが発生してしまう。ひび割れが発生すると中に雨水が侵入してしまい鉄筋を錆させて爆裂する恐れがある。

塗装目安 10~15年

こんな症状に注意

軒下の剥がれ

放置しておくと、中の鉄筋のサビ、コンクリートが落ちてくるケースも。

剥離

外壁のひび割れや屋上の防水効果がなくなると、壁の内側に雨水が侵入する。塗膜の剥離は雨水が中に侵入した場合によく見られる。

外壁と屋根の同時リフォームで耐久性アップ

外装の修繕時期を知る屋根編

外壁と同様に、直射日光や雨風にさらされている屋根。劣化に気が付きにくい分、早めの対応が必要だ。

スレート系(カラーベスト)

代表的な屋根の1つで、石質の薄い板を使用。劣化すると表面の割れや反り、屋根面の接合部の下地の腐食、板金を止めている釘の浮きが起こりはじめる。10年以上経つと汚れやコケが付いたり、色褪せも目立つようになるので、内部に腐食がないか点検をしてもらおう。

塗装目安 7~8年

こんな症状に注意

色褪せ

スレート系屋根材の色褪せは赤信号。天井裏の雨染みは屋根が傷んでいる証拠。

割れ

色褪せがさらに劣化するとひび割れや破損につながることがある。コケやカビが生えている屋根をよく目にするが、これが割れの原因に。スレート屋根材の劣化を放置し、そこに力が加わると割れて雨漏りが発生する。

セメント系

セメント瓦とは、セメントと川砂を1対2~3の割合で混ぜたモルタルを、型に入れて形成し塗装したもの。紫外線・風雨・温度変化などで塗膜の劣化が進行すると、素材のセメントの劣化も早くなるので、もろくなる前に定期的なメンテナンスをおすすめする。

塗装目安 10~15年

こんな症状に注意

色褪せ

セメント系の屋根材は色褪せを起こすため、定期的な塗装が必要。

ズレ

瓦がズレていると、建物の中に雨水が浸入しやすい。放置すると躯体を傷め、建物の寿命を縮めてしまう。

割れ

塗膜が剥がれ表面に骨材が現れた状態はもろく、少しの力で割れてしまう。ここが雨漏りの原因に。

モニエル

寿命が長く、色褪せがほとんどない粘土瓦。汚れがひどい場合は洗うか、部分的に交換するかを検討する。ズレや浮きがあれば、瓦を固定している屋根面の接合部の漆喰が崩れている可能性あり。コケや雑草を放置すると根から雨水を屋根に引き込む原因になる。

塗装目安 20~30年

こんな症状に注意

ひび・コケ

瓦の表面に細かいひびが入った現象を貫入(かんにゅう)という。小さなものは問題ない。

ズレ

漆喰が剥がれ、瓦が固定されていない。少しの衝撃で瓦が落ちる危険な状態。

金属系(銅板)

サビにくい金属として古くから使われている、最も安くて経済的な屋根材。銅は緑青(ろくしょう)が出て、緑色に変色すれば、それ以降長期にわたって使用できる。接する素材との組み合わせで劣化が早くなると言われているので注意が必要。

塗装目安 10~20年

こんな症状に注意

サビ

一度サビてしまうと、健全な部分にもサビが浸食。最後は穴が開いてしまう。

浮き

劣化すると板金を止めている釘の浮きや屋根材の割れ、反りが起こる。浮きを放置すると水分が浸み込む。台風や強風の後は、浮き上がったりガタついているところがないか、しっかりと点検してもらおう。

症状や対処法がさまざまな付帯部を知る

外装の修繕時期を知る付帯部編

屋根や外壁と同じく紫外線や雨風にさらされている「雨どい」や「ベランダ」などの付帯部のメンテナンスもお忘れなく。

雨どい

一般的に普及している雨どいはほとんどが塩化ビニール樹脂製か、少し耐久性を上げた合成樹脂製で、耐久年数はおよそ20年。雨どいの外側に塗装を行うことで美観性の向上や保護ができる。その場合、ケレン作業を行い、密着性を高めた上で弱溶剤系塗料を2回塗装する。

塗装目安 10~15年

こんな症状に注意

剥がれ

経年劣化により塗装が剥げ、粉をふいたような状態になる。雨どいの外側に塗装を行うことで美観性の向上や保護ができる。雨どいの内側は塗装ができないため、劣化した場合は交換が必要となる。

詰まり

草やゴミがたまると詰まる。ゴミ詰まりが起きる場所は、屋根から落ちた雨水が集まる集水器が最も多い。

歪み

歪みや割れは塗装で解決できない。雨を受ける機能を発揮しなくなったときは、交換を行う必要がある。

ベランダ

バルコニーやベランダ、屋上は雨が直接入るため、雨漏りや老朽化が起きやすい場所。塗料を塗ることで保護効果はあるが、防水効果までは期待できない。これらの場所には、美観性より防水機能を備える必要がある。施工するなら、費用対効果の高いFRP防水がおすすめ。

塗装目安 7~8年

こんな症状に注意

剥がれ

表面のグレーの塗料は、トップコートや保護塗料などと呼ばれ、FRP防水層を守るためのもの。塗膜のひび割れや剥がれによって、すぐに雨漏りすることはない。ただし、FRP防水層自体が割れてしまった場合は水が入り込む恐れがある。

詰まり

ベランダの排水口まわりを放っておくと、砂ボコリや枯れ葉などが詰まる原因に。定期的にゴミなどを取り除く必要がある。落ち葉などを取り除いた後は、1度バケツやホースなどで水を流し、細かい汚れも取り除いておこう。

鉄部

トタンや鉄骨、庇などの鉄部を塗り替える際に行われるケレン作業。ケレンとは、サンドペーパーや電動工具で、汚れやサビを落とす作業のこと。ケレンが不十分だと、塗料がうまく密着せず、後で塗装が剥がれてしまうこともある。ケレンが済んだら、サビ止め塗料を塗るのが基本。

塗装目安 10~15年

こんな症状に注意

サビ

鉄部は外壁よりも耐久寿命が短く、放っておくとどんどん腐食が進行するので、劣化の初期段階で塗装が必要。

破損

鉄部のサビが進行し、破損を起こしてしまうと美観を損ねるだけでなく、強度や安全性も低下する。事故につながる恐れもあるため、早急な対応が必要だ。

木部

他の部材に比べると劣化が早い木部。外部に面している木部は、定期的な塗り替えが必要だ。施工は、汚れや塗膜をサンドペーパーなどで削り落した後、木材保護塗料を塗布。防腐剤が入り木目も残る「キシラデコール」や既存の木目を完全に隠す「ガードラック アクア」などの塗料がある。

塗装目安 10~15年

こんな症状に注意

剥がれ

木の性質は、水分を吸ったり出したりしながら収縮する。そのため、他の部位に比べて劣化が早い。塗料の剥がれは劣化のサイン。美観性だけでなく木部自体の保護のために、定期的なメンテナンス(塗装)を行おう。

腐食

湿気や雨水が腐食の原因に。また、紫外線などのダメージを繰り返し受けることも腐食につながる。症状が進行すると住まいが内部から腐ってしまい、場所によってはシロアリの原因にもなってしまうので注意が必要だ。

わが家の劣化は現状どのくらい進んでるのか?

劣化サイクルと外装の修繕時期を知る

どの時点でリフォームを検討するべきなのか。ここでは、図を使って劣化の進み方を紹介しよう。

劣化サイクルと外装の修繕時期の表 劣化の実例