屋根塗料の必要性
屋根塗装は、住宅の寿命や価値を維持するために必要不可欠な作業です。屋根塗装には、次のようなメリットがあります。屋根材の劣化を防ぐ、雨漏りや湿気の侵入を抑制する、美観を向上させる、 撥水性を向上させる。屋根塗装は、塗膜の保護機能が10年近くになると劣化していき、そのまま放置すれば完全に機能が失われてしまいます。屋根が劣化すると、次のような問題が発生する可能性があります。
- 屋根材のひび割れや破損
- 雨漏り
- 建物の耐久性に悪影響を及ぼす
- 建物の重要な部分が傷み、補修に多大な費用がかかる
屋根塗装の目安は、屋根材の種類や環境条件によって異なりますが、一般的に10年前後が適切な時期とされています。屋根のみの塗装工事で50〜60万円程度、外壁と一緒の場合は100〜140万円程度が必要となるでしょう。
屋根塗料の種類
屋根塗装に使用される塗料には、次のような種類があります。ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素系塗料、無機塗料、 アクリル。また、遮熱・断熱塗料や光触媒塗料、ラジカル制御型塗料なども販売されています。屋根塗料を選ぶ際は、次のようなポイントを考慮しましょう。
- 予算や耐久性
- 特殊機能(断熱、遮熱、光触媒など)の有無
- 水性か油性か
- カラーやツヤの有無
塗料のタイプによって、次のような特徴があります。
- ウレタン塗料:比較的安価で密着性が高いですが、耐用年数が短く耐久性が低いです。
- シリコン塗料:ウレタン塗料よりも高価ですが、耐用年数が長く耐久性に優れています。湿気が多い地域では透湿性が高く、カビや藻の発生を抑えてくれます。
- フッ素塗料:耐熱性に優れ、断熱・遮熱性能を付加しています。
- 無機塗料:劣化を抑え、住宅をキレイな状態にキープしてくれます。
屋根塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の合計3回行います。下塗りには下塗り用塗料、中塗りと上塗りには上塗り用塗料を使用します。
屋根塗装の費用
屋根塗装の費用は、建物の大きさや屋根材の種類、塗装の種類などによって異なります。一般的な戸建て住宅(延床面積30坪)の屋根塗装の費用相場は、約40~80万円です。屋根塗装の費用に影響する要素には、次のようなものがあります。
屋根材の種類:瓦屋根の場合は約1,500円から2,500円/㎡、スレート屋根の場合は約2,000円から3,000円/㎡、金属屋根の場合は約2,500円から4,000円/㎡が相場です。
塗料の種類:アクリル塗料やウレタン塗料は安価ですが耐用年数が短く、塗り直しの回数が多くなる可能性があります。シリコン塗料やフッ素塗料は耐用年数が長く、ランニングコストは低くなります。
高所作業が必要なため足場が必要なため、平屋よりも2階建て・3階建てなど高さのある建物の方が費用は高額になります。
屋根塗装と同時に外壁塗装を依頼した場合にも、塗料の使用量や工事期間が増えるため、見積もり金額は高額になります。
屋根カラーベストにはタスペーサーが重要
タスペーサー【縁切り】の必要性
タスペーサーとは、スレート屋根の塗装工事の中で必要な「縁切り」で使用する部材です。 スレート屋根の塗装では、屋根材と屋根材の繋ぎ目に塗料が入り込んでしまいます。 その塗料をそのままにしてしまうと、雨が降った際に屋根内部に入り込んだ雨水の抜け道がなくなり、屋根内部の腐食や雨漏りの原因になってしまうのです。
タスペーサーの費用相場
タスペーサー代は1つあたり20〜50円が相場であり、一般的な戸建ての屋根塗装にはおよそ1,000個のタスペーサーが必要であるため20,000〜50,000円がタスペーサー相場となります。 ただし、屋根が大きい場合は必要なタスペーサーの個数や設置にかかる工数が増えるため、その分金額が上がります。
凹凸のある屋根には吹き付け
屋根吹き付け塗装は、屋根の保護や美観向上を目的とした塗装方法の一つです。この作業では、塗料をスプレーガンを使って均一に吹き付けることで、効率よく広い面積をカバーすることができます。以下は、屋根吹き付け塗装の一般的な手順や注意点です。
手順
準備作業
- 塗装を行う前に、屋根の状態を確認します。ひび割れや腐食がある場合は、修理が必要です。
- 作業エリアを清掃し、周囲の植物や設備を保護します。
洗浄
- 高圧洗浄機などを使用して、屋根に付着した汚れや古い塗膜を洗い流します。これにより、新しい塗料がしっかりと定着します。
下地処理
- 必要に応じて、プライマーや下塗り塗料を塗布します。これにより、上塗り塗料の密着性が向上します。
吹き付け塗装
- スプレーガンを用いて、均一に塗料を吹き付けます。多くの場合、数回に分けて少しずつ塗布します。
仕上げ
- 塗装工程の最後に、必要に応じて仕上げ塗装を行います。また、塗装後の乾燥時間に注意し、天候や気温に応じて適切に管理します。
注意点
- 天候条件: 風が強い日や雨が降る日には作業を避けるべきです。
- 安全対策: 屋根は高所作業になるため、墜落防止策を講じる必要があります。また、塗料の飛散を防ぐための保護具を着用することも重要です。
- 適切な塗料の選択: 屋根の素材に応じた適切な塗料を選ぶことが重要です。
屋根吹き付け塗装は、専門業者に依頼することが一般的ですが、自分で行う場合は十分に計画を立て、注意を払って作業を進めることが必要です。
25年耐久無機ハイブリッドチタンガード
次世代型高耐候性塗料シリーズの、研究開発型企業団体「PAINT LINEジャパン」は高品質塗料の製品化に成功。同社が展開する外壁・屋根・鉄部用の特殊チタン配合型無機ハイブリッド型塗料「無機ハイブリッドチタンガードシリーズ」は、❹オルガノポリシロキサン系樹脂とグリシジル基含有シリコーンオリゴマーからなる塗料。熱や紫外線に安定なポリシロキサンを、フレキシブル性に優れた特殊成分と変成技術により優れた耐久性、超低汚染性を発揮し、耐クラック性を兼ね備え、さらに特殊チタンの配合技術により最大30年間の塗膜劣化を抑制が可能。期待耐候年数30年間という異次元の超耐久性・超低汚染性の要因として「特殊クワトロガードシステム」が挙げられる。そもそも塗料の劣化は紫外線による樹脂劣化と酸化チタンへの紫外線照射によるラジカルの発生に伴う顔料露出と樹脂劣化であるが、同システムにおいては❶特殊チタンに❷高密度シェル加工を施し、ラジカルバリヤーシステム(=特殊チタン)を取り入れた。さらに❸高性能光安定剤により顔料・樹脂劣化を抑制する。またフローティングハイドロシステムにより塗膜表面に親水基を配合して、雨水が壁面に広がって汚れ等を浮かび上がらせ、汚染物が流れ落ちる特殊技術を導入している。「PAINT LINE ジャパン」はさらなる次世代塗料の研究開発と消費者に対して安全・安心を提供。
屋根無機塗料の価格について
屋根の無機塗装の価格は、地域、業者、屋根の面積、選択する塗料の種類、現状の屋根の状態などによって異なります。一般的には、無機塗装は耐久性が高く、長持ちするため、価格は従来の塗料よりも高めになることが多いです。
おおよその価格帯としては、以下のような目安があります:
- 屋根の面積による価格:
小規模な屋根(約50㎡)で20万円~40万円。
中規模な屋根(約100㎡)で30万円~50万円。
大規模な屋根(150㎡以上)で60万円以上。
塗料の種類:
- 無機塗装の中でも、メーカーや製品によって価格差がありますので、選ぶ塗料によっても費用が変わります。一般的には、無機塗料の1缶あたり1万円~数万円程度が一般的です。
作業費用:
- 塗装の下準備や施工にかかる人件費、足場代なども含まれるため、総額はさらに増える可能性があります。
具体的な価格については、業者に見積もりを依頼することをお勧めします。複数の業者から相見積もりを取ることで、最適な価格とサービスを見つけやすくなります。
屋根は遮熱塗料がオススメ
屋根遮熱塗料は、屋根の表面温度を下げることを目的とした特殊な塗料です。主に、夏場の高温時に建物内部の温度上昇を抑えるために使用されます。この種の塗料は、太陽光の熱を反射する特性を持っており、一般的には高い反射率を持つ白色や明るい色が多いです。
主な benefits は以下の通りです:
- エネルギー効率の向上: 屋根の温度が下がることで、冷房にかかる負担が軽減され、電気代の節約につながります。
- 住環境の改善: 屋内の温度が下がることで、居住空間がより快適になります。
- 耐久性の向上: 高温による屋根材の劣化を抑えることができ、屋根の寿命を延ばす効果があります。
- 環境負荷の軽減: エネルギー消費が減少することで、二酸化炭素排出量の削減にも寄与します。
屋根遮熱塗料は、住宅だけでなく商業施設や工場などでも幅広く利用されています。ただし、使用する際は、施工方法や下地の状態に注意し、適切な製品を選ぶことが重要です。
傷みすぎた屋根は葺き替えもしくはカバー工法がおすすめ
屋根カバー工法とは、既存の屋根の上に新たな屋根材を重ねて施工する方法です。この工法は、屋根の改修やリフォームの際に用いられます。屋根の状態が比較的良好であれば、既存の屋根を撤去せずにカバーすることで工事の手間やコストを削減できるメリットがあります。
屋根カバー工法の主な特徴
- 施工の手間が少ない: 既存の屋根を撤去せずにそのまま新しい屋根材を重ねるため、工期が短縮されることがあります。
- コストの削減: 既存の屋根を撤去する必要がないため、廃材処理費用や人件費が抑えられることがあります。
- 断熱性能の向上: 新しい屋根材を重ねることで断熱効果が高まり、エネルギー効率の改善が期待できます。
- 耐久性の向上: 新しい屋根材によって、今までの屋根よりも耐久性が向上する可能性があります。
- 美観の向上: 新しい屋根材によって屋根の見た目が改善され、全体の外観が向上します。
注意点
- 構造の確認: 既存の屋根がカバー工法に適しているか、構造的な問題がないかを事前に確認する必要があります。
- 重さの問題: 新しい屋根材の重さが既存の屋根や建物の構造に与える影響を考慮することが重要です。
- 湿気管理: 既存の屋根に湿気がたまっている場合は、カバー工法を行うことでさらに悪化することがあるため、適切な対策が必要です。
以上のように、屋根カバー工法は効果的な屋根の改修方法ですが、安全性や耐久性を考慮し、専門家と相談することが大切です。
ノンアスベストタイプのカラーベストは要注意
1990年後半〜2004年頃までに製造・施工された屋根材のほとんどは、アスベストの健康被害を危惧し、2004年に定められた規制をクリアする為に、アスベストを使用せずに製造・販売されたノンアスベスト屋根材です。
急遽、アスベストを使用しなくなった為、その時期に製造・販売された屋根材は、どのメーカーの屋根材も耐久性に乏しく、8年~10年くらいすると不具合が多く報告されはじめ、生産されなくなりました。
このように塗装出来ないノンアスベスト屋根材は、全国の戸建住宅に多く使用され、その当時建てられた屋根の多くがリフォーム最盛期を迎え、簡易的なメンテナンス方法である「塗装」が出来ないとういうことで多くの方々を悩ませています。
屋根診断は、家のどこに問題があるのかを見つける重要な工程で、適切なメンテナンスを行うために必要です。屋根診断の結果に問題があると、次のような問題が発生する可能性があります。
- 必要のない工事に余計に費用がかかる
- 必要な処置が行われず、数年後に大がかりな工事が必要になる
屋根は雨風や紫外線などで傷みやすい場所なので、定期的な点検とメンテナンスが大切です。屋根の種類や劣化状況に応じて、適切なメンテナンス方法を選択する必要があります。屋根のメンテナンス時期の目安は、屋根の種類によって異なります。トタン屋根:10~15年、ガルバリウム鋼鈑:20~30年、セメント系瓦:10~15年、 日本瓦:20~30年。屋根裏も定期的に点検する必要があります。屋根裏は通常目に見えないため、断熱材の劣化や害虫の侵入など、さまざまな問題が潜んでいる可能性があります。