屋上防水種類
鉄筋コンクリート(RC)造の場合
鉄筋コンクリート造の防水層を改修する際は、ウレタン防水・シート防水・アスファルト防水で行うことができます。 FRP防水も施工可能ですが、費用は高くなる場合があります。 また、アスファルト防水で防水層の改修工事を行う際は既存の防水層を解体する必要があります。
屋上防水工事には、以下の4種類があります。
ウレタン防水 | 10年〜12年程度 | 5,000円〜6,000円 |
シート防水 | 10年〜15年程度 | 5,000円〜6,500円 |
アスファルト防水 | 15年〜20年程度 | 5,500円〜8,000円 |
FRP防水 | 10年〜15年程度 | 6,000円〜8,000円 |
屋上防水の必要性
屋上防水は、建物の耐久性を高め、住人の快適性を保つために必要です。屋上は建物の中で最も雨風の影響を受けやすい部分で、防水対策が不十分だと、次のような問題が発生する可能性があります。
- 雨水が建物内部に浸入し、コンクリートの劣化や鉄筋の錆びを引き起こす
- 湿気が発生し、カビやダニの繁殖を促す
- 建物の構造的なダメージや内装の損傷を引き起こす
- 建物の耐震性が低下する
- 美観が損なわれる
特に、日本の多雨な気候条件下では、屋上防水の重要性は一層高まります。屋上防水には、アスファルト防水、改質アスファルトシート防水、シート防水、塗膜防水などさまざまな種類があります。建物や予算に合った方法を選び、専門業者に相談して施工しましょう。また、屋上の状態を定期的に確認することも大切です。築10年を超えたら年1回は屋上の状況をチェックし、防水材や排水の状況を確認しましょう。防水材の表面に破れやかすれ、シーリング材が浮いているなどの症状が見られたら、早めの対処が必要です。
屋上防水からの雨漏りや爆裂
屋上からの雨漏りは、防水層の劣化や排水ドレンの詰まりなどが原因で発生します。屋上防水の劣化による雨漏りの原因には、次のようなものがあります。ひび割れや剥がれなどの破損、防水機能の低下、防水層の膨れ、 防水層の浮き。防水層の種類によって劣化や雨漏りの原因となる症状は異なります。
- ウレタン防水は紫外線に弱く、膜厚が減少し雨漏りの原因となることがあります。
- シート防水は劣化すると破れや剥がれ、浮き、シート下の水分溜まりなどが発生します。
- アスファルト防水は耐久年数が長ですが、劣化すると浮きや亀裂が生じます。
また、排水ドレンの詰まりも雨漏りの原因となります。防水工事の施工時にモルタルなどがドレンの皿にたまり、雨水の流れが悪くなることで雨漏りが発生します。屋上防水からの雨漏りは、DIYでの補修は困難であり、業者に依頼して全面補修することが一般的です。
ウレタン防水【密着工法】
※住宅のベランダやアパートマンションの傷みが少なく、予算を抑えたい方にオススメです。
ウレタン防水密着工法は、下地にウレタン防水材を直接塗り重ねて防水層を形成する工法です。下地の形状に馴染みやすく密着性に優れているため、既存の防水層の上に塗り重ねて改修することもできます。ウレタン防水密着工法の主な特徴は次のとおりです。
- 軽量で建物への負担が少ない
- コストが安い
- 通気筒を設置する必要がないため、複雑な形状や狭い場所でも対応しやすい
- 建物の傷みの度合いに応じて防水層の厚みを調節できる
ウレタン防水密着工法の施工の流れは次のとおりです。
- ゴミや砂などをほうきで掃き、細かい埃は掃除機やブロアーなどで清掃する
- 下地との密着性を高めるためにプライマーを塗布する
- 既存下地が破損している箇所はシーリング材やカチオンなどで調整する
- ガラス繊維の補強クロスを貼る
- ウレタン塗膜防水材を1回目に塗布する
- 規定の塗膜厚を形成するために2回目に塗布する
- 紫外線に弱いウレタン塗膜防水材の上からトップコート(保護材)を塗布する
ウレタン防水密着工法の費用相場は、1平方メートルあたり5,000円〜です。ただし、使用するウレタン防水材によって価格は異なり、6,000円や8,000円と差が大きいのが実情です。
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ウレタン防水【x-1】絶縁工法
ウレタン防水絶縁工法は、通気緩衝工法とも呼ばれ、防水工事の工法の1つです。下地に通気緩衝シートを貼り、ウレタン防水材を塗り重ねることで防水層を形成します。ウレタン防水絶縁工法の主な特徴は次のとおりです。
- 雨漏りしている建物に適している
- 比較的低コストで高い耐久性と優れた伸縮性がある
- 通気シート(絶縁シート)を挟み脱気筒を設置することで防水層内部の蒸気を逃し、膨れを防ぐことができる
ウレタン防水絶縁工法の施工手順は次のとおりです。
- 下地を綺麗に清掃する
- プライマー下地材を塗布する
- 通気緩衝シートを全面に敷く
- 端やジョイント部分をテープでとめる
- コーキングが必要な部分は打つ
- 脱気弁・脱気筒を設置する
- 通気緩衝シートを押さえる
- ウレタン防水1回目
ウレタン防水絶縁工法では、防水材を固まらせる工程が必要なため、気温が低かったり、悪天候の場合は施工できません。そのため、工期が長くなる可能性があります。
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塩ビシート防水
塩ビシート防水とは、塩化ビニル樹脂製のシートを接着剤や機械などで下地に貼り付けて防水層を形成する防水工事です。塩ビシートはプラスチックの一種で、配管のパイプなどにも使用される素材です。塩ビシート防水のメリットには、次のようなものがあります。
- 工場生産の既製品を使用するため、均一の厚みで仕上げられる
- 広い面積を一度に施工できるため、広い現場でも短期間で施工可能
- 下地が傷んでいる場合でも簡単な下地処理で施工できる
- 耐候性に優れており、さまざまな気象条件や環境下で長期間の防水性能を発揮する
- 軽量で施工が比較的容易なため、新築や改修工事問わず適している
塩ビシート防水の耐用年数は、接着工法、機械的固定工法ともに約15年〜20年です。他の防水工法と比較しても一番寿命の長い防水工法です。塩ビシート防水の施工単価相場は、5,000〜7,000円/㎡程度です。見積書の内容が詳細に記載されていて納得できる内容か、高額な請求になっていないか、という確認をする必要があります。