スタンダード
外壁塗装の艶には、次のような特徴があります。
- 艶の度合いは、光沢度によって「艶あり」「5分艶」「3分艶」「艶消し」などと分けられます。
- 艶あり塗料は光を正反射するため、輝いて見えます。一方、艶消し塗料は光を乱反射するため、光沢が少なく落ち着いた印象になります。
- 艶あり塗料は耐候性に優れ、汚れが付きにくいという特徴があります。
- 艶消し塗料は周囲の風景と自然に溶け込んで見えるというメリットがあります。
- 艶消し塗料は光をほぼ反射しないため、日当たりが悪い立地では暗い雰囲気になりがちです。
- 艶の有無は、施主の好みや建物によって異なります。
外壁塗装の艶の有無や度合いについて迷った場合は、カラーシミュレーションや実際に塗料を塗った塗り板を活用するとよいでしょう。また、色見本は必ず屋外で確認しましょう。
クリヤー塗装
外壁のクリア塗装とは、顔料を含まない無色透明な塗料で外壁を塗装する方法です。外壁の素材や木目、デザインを生かしながら、保護や艶出し、手触りをよくするなどの目的で使用されます。クリア塗装のメリットは次のとおりです。
- 外壁の現在のデザインを維持できる
- チョーキング現象が発生しない
クリア塗装は、レンガ調・タイル調・石目調などのサイディングや、モルタル・タイル・コンクリートなどの外壁に適しています。特に、意匠性の高いサイディングや凹凸のあるサイディング、2色で塗装されているサイディングなどにおすすめです。
吹き付けデザイン塗装
外壁の吹き付け塗装とは、スプレーガンを使って塗料を霧状に吹き付けて外壁を塗装する工法です。ローラーや刷毛による手塗り塗装とは異なり、広範囲を短時間で塗装でき、形状が複雑な部分も塗り残しが少ないのが特徴です。吹き付け塗装は、主にモルタル外壁の仕上げに用いられます。モルタルはセメントに水と砂を混ぜたもので、外壁の下地にモルタルを塗りつけて仕上げたものがモルタル外壁です。吹き付け塗装のメリットとしては、次のようなものがあります。
- 凹凸がありザラザラした質感に仕上がります。
- 模様を入れたり、ツートンカラーにしたりなどさまざまなデザインに仕上げることができます。
一方、デメリットとしては、次のようなものがあります。
- 作業音がうるさい。
- 徹底的な養生が必要なため塗装面積が小さいと工期が延びやすい。
- 塗料の無駄が多い。
- 高度な技術を持つ職人が必要。
デザイン塗装グラデーション
外壁塗装のグラデーションとは、外壁を1色ではなく複数の色で塗装する工法で、サイディングボードなどにも施工できます。サイディングボードの凹凸面を生かして多色をのせるため、レンガや石材などのデザインや風合いを残しながら、好みの色味やデザインに変更することができます。グラデーション塗装は、多彩工法とも呼ばれ、一色塗りとは異なる多彩なデザインで人気があります。凹凸がはっきりとある外壁のほうが効果が出やすいため、窯業系サイディングボード専用の工法です。グラデーション塗装では、2色または3色のデザインから選ぶことができ、イメージに合わせてカラーシミュレーションも可能です。まるで外壁を貼り換えたかのように印象がガラッと変わり、明るくしかも高級感のある仕上がりになります。
デザイン塗装ダブルトーン
外壁塗装のダブルトーンとは、外壁のタイル部分と目地部分(タイルとタイルの継ぎ目)を異なる色で仕上げる塗装方法です。別名「2色塗り」とも呼ばれ、単色の塗装と比べて立体感や奥行き、個性的な外観を実現できます。ダブルトーン塗装のメリットは次のとおりです。
- 外観の美しさと耐久性を向上させる
- 凹凸のある外壁に適しており、その特徴を強調する効果がある
- 建築後10年以上が経過し、クリア塗装が困難な外壁にも適用可能
- 塗布回数が多くなるため、耐候性の向上とともに、高級感ある仕上がりを期待できる
一方、デメリットとしては、通常の塗装方法と比較すると費用が高額になってしまう点が挙げられます。塗装回数が増えることで、手間も時間もかかってしまいます。ダブルトーンと似た名前の工法に「ツートン」がありますが、こちらは建物の部分ごとに塗料の色を変える塗装方法です。
外壁塗装仕上がりをご満足いただくために
外壁塗装で満足できる仕上がりを実現するには、次のような点に注意しましょう。
- 天候と施工スケジュールの調整:雨や風が強い日、高温や寒冷の日は避け、気温や湿度が安定している春や秋に施工するのが理想です。
- 外壁の掃除:泥や汚れ、ゴミを取り除いてから塗装しましょう。
- 乾燥時間の確保:高圧洗浄後の水分や雨、結露などをしっかり乾燥させ、3回塗りの各層を乾燥させます。
- 養生作業の徹底:塗装する部分以外を養生ポリシートやマスカー、布テープなどで覆い、塗料の飛散を防ぎましょう。
- 色見本帳の活用:気になる色を大判の色見本帳から2~3色選んで、実際に塗料を外壁に試し塗りしましょう。
- 施工工程の確認:工程表を確認して、必要な作業が含まれているかどうかを確認しましょう。
また、塗装が完全に乾燥してから塗り残しを修正すると、キレイに仕上げることができます。塗装が乾く前に触れてしまうと塗膜を引っ張ってしまい、美観が損なわれる恐れがあります。